Quantcast
Channel: 高円寺を愛するひとへ、ビビッと通電!高円寺のWEBマガジン【Concent】 »インタビュー
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5

杉並区高男寺四丁目「上島竜兵の場合」sponsored by BULK HOMME

$
0
0

1

2

4

5

10

6改

7



ーー上島さんと高円寺の関係を教えてください

ダチョウ倶楽部を結成した頃、オレは当時千葉に住んでたんです。でも飲む時はもっぱら高円寺だった。高円寺には友だちがいっぱいいましたからね。“どん兵衛”って高架下の飲み屋でよく飲んでました。仕事がだんだん増えてきて、千葉から東京へ出る時も「この辺に住もう」って決めててね。結局お隣の中野に住むことにしたんです。知り合いの芸人や小西くん(放送作家)、ゆでたまごさん(漫画家)なんかと毎日のように飲んでましたね。32歳くらいかな。みんなでプロレスの話とかしてね。

ーー中野界隈を住処として選んだ理由は

元々中野って、第二の浅草って呼ばれてたことがあってね。たけし軍団さんとか、大阪から東京に出て来る吉本の芸人さんとか、この辺りにみんな住んでたんですよ。この辺って、今だに物価が安いじゃないですか。売れない時代の芸人にとってはありがたい町なんです。そのうちみんな夢を叶えて目黒とか世田谷とかに出てっちゃうけど、オレと松村だけは残ってるんだよね(笑)劇団ひとりもよく中野で飲むからって青梅街道沿いのマンションに引っ越したんだけど、日テレの番組内で住所バラされちゃって、すぐ引っ越してったよ。

_MG_9538

ーー今日のインタビューでも使わせて頂いている居酒屋、東高円寺の「野武士」さんとの出会いは?

最初に、G.D.FLICKERSってバンドやってる稲田くんって人に連れてきてもらったんだよね。その後、たけし軍団さんと一緒に来るようになって。で、うちの事務所の後輩を呼んで、いわゆる“竜兵会”を開くようになりました。ここは融通が聞くんですよ。ママも大将もすごい気さくな方で、昔からお世話になってるんです。

ーーなにやらオリジナルメニューも作ってもらっているとか

そうそう。一番迷惑かけたのは、あれですね。貧乏時代によく食べてたお好み焼きですね。小麦粉にネギを入れて焼いたものを醤油やソースで食べてたんですけど、勝手に“貧乏焼き”って名前付けてね。お客さんいっぱいいる中、「大将! 貧乏焼きお願いします」なんて言ってね。あとはリーダーが鍋作ってもらってたな。なんかよくわからないけど“肥後鍋”とか言ってて……。キムチだかチゲだかそんなの。

その頃に一緒に飲んでたメンツは、今思えば天才揃いでしたね


ーー「竜兵会」最盛期はどんなメンバーで来てらしたんですか

当時、文化放送のラジオのレギュラーをダチョウ倶楽部でやっていてね。ちょっと賑やかしに来なよなんて言ったんだけど、まあその時はみんな暇でしたから、毎週来るようになって。土田、有吉、劇団ひとり、デンジャラス、インスタントジョンソン……。その頃に一緒に飲んでたメンツは、今思えば天才揃いでしたね。

ーー若手のみなさんを支えていたんですね

今でこそみんなが、すごい世話になったみたいに言ってくれてるけど、そんな大したお世話なんて実際してないんですよ。特に有吉、あいつは可愛がられるのが上手いんです。あいつはチンピラみたいなところがあるんで、オレがどんどん金出してヒモみたいになっちゃうんです。あいつが仕事なくて暇だった頃はね、10日間くらい毎日ここで飲んでね。さすがに10日目は話すこともなくなって15分くらいで帰りました(笑)とにかく有吉があんな看板番組何本も持つなんて当時は思わなかったよ。劇団ひとりだって映画作ってるしなあ。劇団、あいつはほんとにただの変態なんですよ。でも最近はオレが彼らにいじってもらってるし、ここで飲んでて良かったよホント(笑)

_MG_9591


ーー今では、後輩に助けられることも多いと?

そりゃあすごいですよ。もうね、安心です(笑)こういうこと言っちゃうのはほんとは駄目なんだけど、頑張んなくちゃいけないんだけどね。

ウソかホントかわからないんだけど、「竜兵会で大先輩の上島さんをいじったり失礼なこと言うことで、現場における“笑って許せる境界線”を知ることが出来た」って土田や有吉なんかが上手く言ってくれてるんだよ。まあ、そんなことしなくたって彼らは売れてるんだと思うんだけどさ、そう捉えてくれてるのはやっぱり嬉しいよね。

ーー最近「竜兵会」はご無沙汰なんですか

そうだね。前みたいにみんな揃うことはないかな。オレと一緒にいた若手っていうのは今やみんな売れてるから、その下のやつらにオレが声掛けてももう集まらないよね。土田とかは声掛けて飲んでるみたいだけど。こないだ土田に呼ばれて行ったら若手が10人くらいいてね。まさに“土田会”みたいになってますよ。

ーー世代交代ですね(笑)

土田に呼ばれて行くとさ、土田が払う時もあるけど、基本的にはやっぱりオレが払うんですよ。お会計の時に「うわ! お前らこんな人数いたのか」ってびっくりするんです。

_MG_9701


普段からカメラ回ってなくても集団コントみたいなことをやっているんです


ーー上島さんって“いじられる先輩”というイメージがあると思います。世の中のおじさんは、若い人に舐められたくないという意識があるかと思うのですが、あえて隙を見せているんでしょうか

まあ、オレらと普通に働いている人とは商売が違いますからね。
オレは一緒に飲んでるときに正座されたり、作れもしない酒作ってくれたりとか、そういう気遣いが嫌なんですよ。オレ自体が昔からいじられキャラだしね。どんどんいじってもらってかまわないと思ってる。でもね、みんな先輩として立てるところは立ててくれてるよ。こういう関係性っていうのは急にテレビの中だけでやれって言われても出来ないから、普段からカメラ回ってなくても集団コントみたいなことをやっているんです。だから隙を見せようとかカッコいい算段はしてませんよ。舞台裏でもあんな感じですね。

_MG_9550


ーー竜兵会ではみなさんから“太陽さま”って呼ばれているとお聞きしたんですが

ああ、あれはね……(笑)まあ、たけしさんは“殿”でしょう。さんまさんは“若”欽ちゃんが“大将”。みんなそういった呼び名があるんだから上島さんも作りましょうよってことになって。で、劇団ひとりが「太陽さまってどうですか」って。オレは嫌だって言ったんだけど、まあそういう流れでそうなったんだよね。“太陽さまを囲む会”ってトークライブも何回かやるようになっちゃってさ。でもこれ結構豪華メンバーなんですよ(笑)酒飲みながらワイワイして、お客さんも入ってるんだけどあることないこと喋って。Twitterでつぶやいちゃ駄目ですよって念押しながらね。

_MG_9720


仕事として当たり前のことをやれる人間はやっぱりカッコいい


ーー上島さんが思う「カッコわるい」ってなんでしょう

見栄を張ったり自慢するのはカッコわるいと思ってるんです。はっきり言っちゃうと、うちの寺門みたいなヤツのことなんだけどさ……(笑)前に若手に向かって「オレはグルメだから、こうなるまでに5億くらい使ってるからね」とか変に水増ししてカッコわるいなあって。

ーージモンさんの悪口になってます(笑)

いやいや、あいつ、いいヤツなんだけどね(笑)

_MG_9569


ーー仕事をする上で、自分にとっての「カッコいい」「カッコわるい」って意識していますか

好きで始めた世界ではあるけど、そりゃ良い仕事もあればやりたくない仕事もある。でもお金もらってやってる仕事だから、仕事として当たり前のことをやれる人間はやっぱりカッコいいですよ。番組に出て失敗したことがあっても「MCが悪かった」「あいつの絡み方がダメ」「客が良くなかった」とか言い訳しちゃうのは、それは仕事としてカッコわるい例だと思う。まあ、こんなこと言ってるけどさ、オレって思い切りヤキモチ焼いたり人を妬んだりしちゃう人間なんですよ。自分の悪いところを自分で知ってるからこそ、そういったカッコわるい人間にならないように努力してます。

ーー目立ったことをやるのではなく、当たり前のことをやれる人間がカッコいいと

人によっては「普通が一番ダメなんですよ」とか言う人いるけど、普通が出来なきゃ上に行けないと思うんですよ。まあ、天然な奴がいても良いし、変態でも頭が良い奴がいてもいいけど、無難なことが出来ないとダメなんです。これも最近思ったんですけどね。オレなんてリアクションを求められることが多いけど、求められたことを無難にこなしていくことが大事なんです。とはいえ、オレなんてホームランか三振どちらかのバッターなんですよ。そこそこのヒット打って、なんとか塁に出るようなことを考えてもダメなんですよね。

_MG_9663


芸能の世界って男らしさが薄れちゃうんです


ーー上島さんが、自分が男だなって感じる瞬間は?

キレイなお姉ちゃん見たときかな。

ーーうーん、欲しい答えと違うなあ……(笑)

まあそれは冗談で、芸能の世界って男らしさが薄れちゃうんですよ。

ーーどういうことですか?

そこそこ売れてからにはなりますけど、雨が降ったらマネージャーが傘をさしてくれるとか、スタッフみんなが気を使ってくれたり、至れり尽くせりじゃないですか。そういった優しさを受けて、自分もそういう風に見せて。そんな中で「オレは男だ!」って感じることは正直少ないかな。オレみたいに年取ってくるとさ、雨が降ったから傘さされて、時間が空いたら椅子出されて座って下さいなんて、もはや介護と変わんないよ(笑)

_MG_9582


でもまあ、男っていうのは守るものがあるのが良いんだと思います。それは奥さんでも子どもでも良いし、後輩かもしれない。守るものがある男はカッコいいですね。そして、苦しいけど同じことを継続させるってすごい大事だね。男らしいと思う。

ーー継続でいうなら、芸風を変えない上島さんもカッコいいですよ

いやいや変えたいんだけどね。でもこれ変えたら仕事なくなるから(笑)
最近はね、「あれも出来る、これも出来る」と無理しないで、自分が出来ることなのか見極めるのが年取ってから出来るようになってきたんだよ。自分に求められた仕事を、丁寧に「無難」に応える。何度も言うけど、それが一番難しいことですから。

ーー今日は楽しいお話をありがとうございました

ちゃんと求められたこと言えたかなあ。情熱大陸とかプロフェッショナルとか見て「こういうこと言えば良いんだな」って勉強してるんですけどね(笑)

_MG_9596





ueshima

【info】
上島竜兵(うえしまりゅうへい)

1961年兵庫県生まれ。肥後克広、寺門ジモンと共にお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」を結成。体を張ったギャグやいじられキャラとして有名である。そのため、「リアクション芸人」と称される。番組内で偶然生まれたギャグは流行語になることも。舞台や映画など、役者としても活躍中。

味な居酒屋 野武士
住所:〒166-0003東京都杉並区高円寺南1-6-9木村ビル1F
TEL:03-3318-1545
営業時間:17:00~24:00(L.O 23:30)
定休日:月曜日
東京メトロ東高円寺駅出口2番から徒歩1分

680_120a

[ライター/酒井栄太 カメラ/木村和平 取材場所/野武士]

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5

Trending Articles